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【基礎】《電子回路》(R3-第2回-問2(3))フォトダイオードについて

問題

 次の文章の$\boxed{   }$内に、選択肢の中から最も適したものを選び、その番号を記せ。

半導体受光素子について述べた次の二つの記述は、$\boxed{   }$。

A PINフォトダイオードは、3層構造の受光素子であり、電流増幅作用は持たないが、アバランシェフォトダイオードと比較して低い動作電圧で利用できる。

B アバランシェフォトダイオードは、電子なだれ増倍現象による電流増幅作用を利用した受光素子であり、光検出器などに用いられる。

Aのみ正しい
Bのみ正しい
AもBも正しい
AもBも正しくない
解答 3

ダイオード

(1)定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)
ダイオードに逆方向電圧をかけると、通常逆方向電圧では電流が流れないが、ある一定値を超える逆方向電圧をかけると逆方向電流が急激に増大する降伏現象が起きる。ある一定値を降伏電圧という。電流の変化に対して電圧はそれほど変化がないことから、定電圧回路として利用されている。

(2)バリスタ
電圧-電流特性が原点に対して対称で、原点付近では高抵抗になっており、ある一定以上の電圧・逆電圧をかけると急激に抵抗が下がり急激に電流が流れ出す特徴がある。この特徴を利用して、回路の電気的衝撃防止や自動調整機能などに利用される。

(3)可変容量ダイオード
pn接合に逆方向電圧をかけると、電圧の大きさによって空乏層の幅が変化し、逆方向電圧が大きくなると空乏層の幅が大きくなる。この空乏層はコンデンサの働きをする。逆方向電圧を制御することによって、静電容量を変化させることができる。

(4)発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)
電気信号を光信号に変換する発光素子である。pn接合の間に極めて薄い活性層を挟み、順方向電圧を加えると光を発する。

(5)半導体レーザダイオード(LD:Laser Diode)
発光ダイオード(LED)と同じく電気信号を光信号に変換する発光素子である。これもpn接合の間に極めて薄い活性層を挟み、順方向電圧を加える。光の波長の整数倍の長さに切断した両面を反射鏡とした構造で、活性層の間に閉じ込めた光を誘導放射により増幅し共鳴させることでレーザ発振を起こさせる。レーザ光の一部を放出する。

(6)フォトダイオード(PD:Photo Diode)
光信号を電気信号に変換する受光素子である。pn接合に逆方向電圧を加え、pn接合面にを当てると逆方向電圧が増加する。

①PIN型フォトダイオード(PIN-PD)

p型半導体とn形半導体の間に絶縁性のあるi型半導体があります。このi層に比較的低い電圧をかけて光を当て、キャリア移動により高速応答が得られます。

②アバランシェフォトダイオード(APD)
増幅機能を持つ超高速応答が得られるフォトダイオードで、構造はp形半導体とn形半導体のうちp形半導体がp+層、p-層、p層の3層に分かれます。高い電圧をかけ、p層に光を当てると、この3層により生成した電子が電子雪崩を起こします。増幅はこの電子雪崩によって起こります。

(7)トンネルダイオード(エサキダイオード)
不純物濃度を大きくしたpn接合ダイオードで、トンネル効果により小さな電圧で大きな電流が流れる。また、順方向電圧を上げていくとトンネル効果が減少する領域があり、この領域では負性抵抗を示します。この負性抵抗は、マイクロ波域まで応答性があるためマイクロ波発振回路に利用されます。

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