【基礎】《電子回路》(R3-第1回-問2(1))半導体中の自由電子と正孔

問題

 次の文章の$\boxed{   }$内に、選択肢の中から最も適したものを選び、その番号を記せ。

半導体中の自由電子又は正孔に濃度差があるとき、自由電子又は正孔が濃度の高い方から低い方に移動する現象は、$\boxed{   }$といわれる。

整合
拡散
イオン化
再結合
帰還
正解 2

半導体

1-2-2-1C

金属や電解液のように電気を通しやすい物質を導体、ゴムやガラスのように電気をほとんど通さない物質を絶縁体という。上図の周期表のⅣ族に属するゲルマニウム(Ge)やシリコン(Si)は半導体と呼ばれる物質で、導体と絶縁体の中間に位置する。半導体は、温度が上がると、抵抗が下がる性質をもっている。

真性半導体にゲルマニウム(Ge)やシリコン(Si)などのⅤ族の原子(5個の価電子を持つ原子)をわずかに加えると共有結合した結果、1つの電子が余る。この余った電子が自由電子となり、電気伝導の役割を果たす。この場合の自由電子をドナーという。

真性半導体にホウ素(B)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)などのⅢ族の原子(3個の価電子を持つ原子)をわずかに加えると結合した結果、価電子が1つ不足する。この1つ不足している穴(正孔:ホール)は、電子が穴に移動してくる電気伝導の役割を果たす。この場合の正孔をアクセプタという。

ドナーやアクセプタのような電気伝導の担い手をキャリアという。このキャリアが移動することによって電気の伝導が行われる。キャリアが移動することを拡散という。多数キャリアが電子の場合その半導体をn(negative)形半導体といい、多数キャリが正孔の場合にはp(positive)形半導体という。

ポイント

半導体内におけるキャリアの移動メカニズムは、主に「拡散」と「ドリフト」の2種類に大別されます。両者の違いと発生条件をセットで覚えておくことが重要です。

  • 拡散(Diffusion):キャリアの「濃度差」によって生じる移動現象。外部電圧がなくても発生する。
  • ドリフト(Drift):外部から印加された「電界(電圧)」によってキャリアが引き寄せられ、強制的に移動させられる現象。
重要用語
用語解説
拡散(Diffusion)物質や電荷(自由電子・正孔)が、濃度の高い場所から低い場所へと自然に広がって均一になろうとする現象。
ドリフト(Drift)半導体に電界(電圧)をかけた際、その電界からの力によってキャリアが一定の方向へ移動する現象。
再結合(Recombination)半導体中で自由電子(負電荷)と正孔(正電荷)が出会い、互いに結びついて消滅する現象。
イオン化(Ionization)原子や分子が外部からエネルギーを受け取り、電子を放出(または捕獲)して電荷を持ったイオンになる現象。
キャリア(Carrier)半導体中で電流を運ぶ役割を担う電荷のこと。自由電子と正孔を指す。
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