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【基礎】《伝送理論》(R1-第2回-問4(3))漏話について

問題

 次の文章の$\boxed{   }$内に、選択肢の中から最も適したものを選び、その番号を記せ。

漏話について述べた次の二つの記述は、$\boxed{   }$。
A 誘導回線の信号が被誘導回線に現れる漏話のうち、誘導回線の信号の伝送方向を正の方向とし、その反対方向を負の方向とすると、正の方向に現れるものは遠端漏話といわれる。
B 平衡対ケーブルにおいて電磁結合により生ずる漏話の大きさは、一般に、誘導回線のインピーダンスに反比例する。

Aのみ正しい
Bのみ正しい
AもBも正しい
AもBも正しくない
解答 3

漏話

3-2-4-1A
2つの電気通信回線において、一方の回線の信号が他の回線に漏れる現象を漏話という。上図のように近接した電気通信回線で妨害を与える回線を誘導回線、妨害を受ける回線を被誘導回線という。
被誘導回線に現れる漏話のうち誘導回線の信号の伝送方向と同じ方向に生じる漏話を遠端漏話といい、反対方向に生じる漏話を近端漏話という。一般に遠端漏話より近端漏話の方が影響が大きい。
漏話の大きさは、漏話減衰量で表される。次式ように、誘導回線の信号と漏話の比をdBで表示する。

漏話減衰量 = $20 \log_{10}\frac{V_1}{V_{2}}$

漏話減衰量 = $10 \log_{10}\frac{P_1}{P_{2}}$

漏話の原因として、平衡対ケーブルでは静電結合や電磁結合により発生し、周波数が高くなると漏話が増大する。

平衡対ケーブル、同軸ケーブル

(1)平衡対ケーブル
平衡対ケーブルでは、送端に加えられた電圧は導体自体の抵抗$R$および自己インダクタンス$L$により電圧降下しながら受端に向かって減衰し、また、送端に加えられた電流は導体間の絶縁体を介して存在する静電容量$C$および導体間の漏洩電流に対する漏洩抵抗の逆数である漏洩コンダクタンス$G$を介して漏洩しながら受端に向かって減衰していく。心線導体間の間隔を大きくした場合、漏洩電流を小さくすることができ伝送損失は減少する。
電磁結合による漏話の大きさは、誘導回線のインピーダンスに反比例する。

(2)同軸ケーブル
同軸ケーブル
の高周波数帯域における伝送損失は比較的小さく、漏話特性も良い。これは表皮効果や近接作用による実効抵抗の増加が小さいからである。伝送損失は周波数の平方根に比例して増加し、信号周波数が4倍になれば伝送損失は$\sqrt{4} = 2$倍になる。

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