【基礎】《伝送技術》(R2-第2回-問5(1))変調方式について

問題

 次の文章の$\boxed{   }$内に、選択肢の中から最も適したものを選び、その番号を記せ。

異なる中心周波数を持つ複数の搬送波(サブキャリア)を直交させることによって、サブキャリア間の周波数間隔を密にして周波数の利用効率を高めたマルチキャリア変調方式は、$\boxed{   }$変調といわれる。

①QAM
②OFDM
③BPSK
④CDMA
⑤FSK
正解 2

OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重):
互いに「直交」する複数の搬送波(サブキャリア)を重ね合わせてデータを分割伝送する技術です。サブキャリア同士が直交しているため、波形が重なり合っていても相互に干渉(混信)せず、周波数間隔を限界まで密にして配置できるため、周波数の利用効率を非常に高くすることができます。Wi-Fiや地デジ、4G/5G通信などで広く使用されています。

多重通信方式

伝送能率を良くするために、複数の信号を同時に伝送することが考えられます。このために、信号相互間に影響がでないように、搬送波周波数または時間をずらして並べる方法があります。また、さらに搬送波周波数も時間もずらさず疑似雑音符号(PN符号)を用いる方法もあります。

【FDM(周波数分割多重)】
FDMは、各信号が重ならないように搬送波をずらして周波数軸上に配置して伝送します。特に、各搬送波の直交性が保たれている伝送は、OFDM(直交周波数分割多重)といいます。OFDMは、遅延波により生じる符号間干渉を軽減するため、ガードインターバルが付加され、マルチパスの影響を受けにくくなっています。

【TDM(時間分割多重)】
TDMは、各信号が重ならないように時間をずらして一つの伝送路で伝送します。多重化された信号は送受信間で同期をとる必要があります。同期方法には、網同期方式と独立同期方式があります。

【CDM(符号分割多重)】
CDMは、各信号が重ならないように疑似雑音符号(PN符号)を使用することで多重化を行います。同じ周波数で、時間もずらすことは必要ありません。送信側では、信号をPN符号で拡散変調(乗算)し出力します。拡散されると周波数帯域幅が広がります。このスペクトル拡散技術は、直接拡散(DS)方式と周波数ホッピング(FH)方式があります。受信側では、同じPN符号で乗算(逆拡散)することにより目的の信号を得ることができます。

ポイント
  • 直交性(Orthogonality)による効率化:サブキャリア同士を「直交」させることで、周波数帯域の重なりを許容し、高密度な配置(高い周波数利用効率)を実現しています。
  • 主要用途:Wi-Fi(802.11a/g/n/ac/ax)、地上デジタルテレビ放送、4G(LTE)、5Gなど、現代の高速無線通信の根幹技術です。
重要用語
用語解説
OFDM(直交周波数分割多重)直交関係にある多数のサブキャリアにデータを分散して伝送するデジタル変調方式。周波数利用効率が高く、マルチパス障害に強い。
サブキャリア多重化通信において、主となる搬送波の内部でデータを分割して載せる個々の微細な搬送波。
直交性異なる信号同士が干渉し合わずに独立して分離・抽出できる数学的・物理的性質。
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