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【基礎】《伝送技術》(R2-第2回-問5(5))伝送帯域を制限する要因

問題

 次の文章の$\boxed{   }$内に、選択肢の中から最も適したものを選び、その番号を記せ。

シングルモード光ファイバの伝送帯域を制限する主な要因として、光ファイバの構造分散と材料分散との和で表される$\boxed{   }$がある。

散乱損失
偏波分散
モード分散
波長分散
吸収損失
解答 4

光ファイバ通信において、伝送距離が長くなるほど波長分散が大きくなり、帯域幅が狭くなってしまいます。波長分散は、異なる波長の光が光ファイバ内を伝搬する際に、それぞれの波長に対して異なる速度で進むために生じます。このため、光ファイバ通信では、波長分散を抑えることが重要です。

分散

分散とは、ある物理量が空間時間にわたって変化することによって生じる現象を指します。

(1)モード分散
光ファイバ内部で複数のモード(伝搬モード)が存在するため、それぞれのモードに対して異なる速度で進むために生じます。シングルモード光ファイバでは、この問題はほとんど発生しませんが、マルチモード光ファイバでは問題となります。

(2)材料分散
光ファイバ内部を伝搬する光は、光の周波数に対して屈折率が異なるため異なる波長の光が異なる速度で進むことになります。この現象を材料分散と呼びます。材料分散は、波長が短いほど大きくなります。材料分散は、波長帯域幅を広げることができますが、伝送距離が長くなるほど影響が大きくなります。

(3)構造分散
光ファイバ内部に存在するモード(伝搬モード)は、それぞれ異なる位相速度を持っています。 このため、同じ波長の光でも伝搬モードによって進む速度が異なります。この現象を構造分散と呼びます。構造分散は、光ファイバの構造によって異なります。例えば、コア径が大きい光ファイバでは構造分散が小さくなります。構造分散は、波長帯域幅を狭めることになります。

(4)波長分散
構造分散材料分散は、その大きさが光の波長に依存することから、これらの波長分散と呼ばれています。

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