問題
次の文章の$\boxed{ }$内に、選択肢の中から最も適したものを選び、その番号を記せ。
正弦波交流回路において、電圧の実効値を$E$ボルト、電流の実効値を$I$アンペア、電圧と電流の位相差を$\theta$ラジアンとすると、無効電力は、$\boxed{ }$バールである。
| ① | $E I$ |
| ② | $E I \tan{\theta}$ |
| ③ | $E I (1 – \cos{\theta})$ |
| ④ | $E I \cos{\theta}$ |
| ⑤ | $E I \sin{\theta}$ |
正解 5
皮相電力・有効電力・無効電力
交流回路では、負荷の性質により位相が変わるため、直流の電力の式とは異なります。
交流の電力には、皮相電力、有効電力、無効電力があります。
力率を$\cos{\theta}$とおくと、以下のように表すことができます。
皮相電力S
見かけの電力です。機器の電気容量を算出、表示するときに使います。
$S = EI$[VA]
有効電力P
実際に仕事をする電力です。電力料金を算出するときに使います。
$P = EI\cos{\theta}$[W]
無効電力Q
無駄な電力です。
$Q = EI\sin{\theta}$[var]
電力の三角形
皮相電力(S)、有効電力(P)、無効電力(Q)は、以下の図のように電力の三角形で表すことがきます。$\theta$は、力率角を表します。
$S^2 = P^2 + Q^2$

ポイント
- 交流回路の3つの電力の公式:
- 視在電力(皮革電力)$S$: 電源が送り出す見かけ上の電力$$S = E I\,[\mathrm{V\cdot A}]$$
- 有効電力 $P$: 抵抗で実際に消費される電力(実効的な作業を行う電力)$$P = E I \cos \theta\,[\mathrm{W}]$$
- 無効電力 $Q$: コイルやコンデンサと電源の間を行き来するだけで消費されない電力$$Q = E I \sin \theta\,[\mathrm{var}]$$
- 単位の違いに注意: 有効電力はワット $[\mathrm{W}]$、無効電力はバール $[\mathrm{var}]$、視在電力はボルトアンペア $[\mathrm{V\cdot A}]$ とそれぞれ単位が異なります。
重要用語
| 用語 | 解説 |
| 無効電力 | コイルやコンデンサの電磁エネルギーの蓄積・放出に伴って回路を行き来する電力。エネルギーの消費は伴わない。単位はバール $[\mathrm{var}]$。 |
| 有効電力 | 交流回路で実際に仕事(熱や動力量など)として消費される電力。単位はワット $[\mathrm{W}]$。 |
| 位相差($\theta$) | 電圧波形と電流波形の間の時間的なズレ(角度)。この $\cos \theta$ の値が力率となる。 |

