【基礎】《伝送技術》(R3-第1回-問5(3))デジタル伝送方式における雑音について

問題

 次の文章の$\boxed{   }$内に、選択肢の中から最も適したものを選び、その番号を記せ。

デジタル移動通信などにおける雑音について述べた次の二つの記述は、$\boxed{   }$。
A アナログ信号をデジタル化して伝送する方式では、アナログ信号の連続量を離散的な値に変換するときの誤差により生ずる雑音は避けられない。
B PCM伝送に特有の雑音には、量子化雑音、ランダム雑音、熱雑音などがある。

Aのみ正しい
Bのみ正しい
AもBも正しい
AもBも正しくない
正解 1

雑音(デジタル伝送)

PCM方式でアナログ信号を符号化し、再びアナログ信号に復号するまでの過程において、さまざまな雑音が発生する。

(1)折り返し雑音
標本化の過程
で発生する雑音。入力信号の最高周波数($f_h$)標本化周波数($f_s$)の1/2以内に完全に帯域制限されていないために発生する。標本化前の入力信号の帯域制限が不十分な場合、$f_s$/2以上の信号スペクトル成分が$f_s$/2を中心に折り返される。この折り返された信号スペクトルが復号の際に分離できないため雑音となる。

(2)量子化雑音

量子化の過程で発生する雑音。標本化によって得られたPAMパルスの振幅を離散的な数値に近似する過程で誤差が生じるために発生する。この量子化雑音の発生は避けることができないが、信号レベルの高い領域は粗く量子化し、信号レベルの低い領域は細かく量子化する非直線量子化を行うことにより軽減できる。

(3)補間雑音
復号の過程で発生する雑音。復号の補間ろ波の過程で、理想的な低域フィルタを用いることができないために発生する。このため、高周波成分が混入して雑音となる。

ポイント
  • 量子化雑音の不可避性:アナログ信号をデジタル化する際の量子化(丸め誤差)によって発生する雑音であり、デジタル変調やPCM方式において本質的に避けられないものです。
  • 雑音の分類の区別:ランダム雑音や熱雑音はあらゆる通信回線や電子回路で一般的に発生する外部・内部雑音であり、特定方式に限定されるものではありません。
重要用語
用語解説
量子化雑音アナログ信号をデジタル値へ変換(量子化)する際に発生する、元の信号との差(誤差)に起因する雑音。
熱雑音抵抗器内の自由電子の不規則な熱運動によって発生する、すべての電気回路に普遍的な雑音。
PCM(パルス符号変調)アナログ信号を標本化、量子化、符号化の順で処理してデジタル信号に変換する方式。
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