【基礎】《伝送理論》(H31-第1回-問4(2))メタリック線路の減衰定数

問題

 次の文章の$\boxed{   }$内に、選択肢の中から最も適したものを選び、その番号を記せ。

一様なメタリック線路の減衰定数は線路の一次定数により定まり、$\boxed{   }$によりその値が変化する。

①信号の位相
②信号の周波数
③減衰ひずみ
④負荷インピーダンス
⑤信号の振幅
正解 2

一様なメタリック線路の伝搬定数 $\gamma$ は、線路の一次定数(抵抗 $R$、インダクタンス $L$、静電容量 $C$、コンダクタンス $G$)と角周波数 $\omega = 2\pi f$($f$:信号の周波数)によって次のように表されます。

$$\gamma = \alpha + j\beta = \sqrt{(R + j\omega L)(G + j\omega C)}$$

このうち実数部である減衰定数 $\alpha$ は、伝送される信号の周波数によってその値が変化します。一般に高周波になるほど表皮効果(導体抵抗の増加)や誘電体損失(コンダクタンスの増加)等の影響を受け、減衰定数(伝送損失)は大きくなります。

したがって、空欄に入る最も適した記述は ② 信号の周波数 となります。

減衰定数 $\alpha$、位相定数 $\beta$

伝送線路の特性は、伝搬定数$\gamma$、減衰定数$\alpha$、位相定数$\beta$、特性インピーダンス$Z_0$で表すことができ、これらの定数は2次定数という。
2次定数は、1次定数(導体抵抗$R$、自己インダクタンス$L$、静電容量$C$、漏れコンダクタンス$G$)によって表される。

・1次定数 … 導体抵抗$R$、自己インダクタンス$L$、静電容量$C$、漏れコンダクタンス$G$

・2次定数 … 伝搬定数$\gamma$、減衰定数$\alpha$、位相定数$\beta$、特性インピーダンス$Z_0$

長さ方向に一様な線路に沿った角周波数$\omega(=2\pi f)$[rad/s]の正弦波の伝搬を考えると、減衰定数$\alpha$や位相定数$\beta$は角周波数$\omega$によって表される。1次定数は線路に固有の値であるため、減衰定数$\alpha$や位相定数$\beta$は角周波数$\omega$により変化する。

ポイント
  • 一次定数と周波数依存性:減衰定数 $\alpha$ や位相定数 $\beta$ などの二次定数は、線路の一次定数($R, L, C, G$)だけでなく、信号の周波数($\omega$)に強く依存して変化します。
  • 周波数と減衰の関係:周波数が高くなるほど表皮効果などの影響により減衰定数は大きくなります。
重要用語
用語解説
一次定数線路の単位長さあたりの物理的特性を表す値(抵抗 $R$、インダクタンス $L$、静電容量 $C$、コンダクタンス $G$)。
減衰定数 ($\alpha$)信号が線路を伝送される際に、単位長さあたりどれだけ信号レベルが減衰するかを示す定数。
二次定数一次定数と周波数から決まる線路の伝送特性を表す定数(特性インピーダンス $Z_0$ や伝搬定数 $\gamma$ など)。
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