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【無線工学】《アンテナ》(H27-6午前(19))アンテナと給電線との接続について

問題

 次の記述は、アンテナと給電線との接続について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。

1 アンテナと給電線のインピーダンスが整合しているときの電圧定在波比(VSWR)の値は3である。

2 アンテナと給電線のインピーダンスの整合をとるには、整合回路などによりアンテナの給電点インピーダンスと給電線の特性インピーダンスを合わせる。

3 アンテナと給電線のインピーダンスが整合していないと、伝送効率が悪くなる。

4 アンテナと給電線のインピーダンスが整合していないと、給電線に定在波が生ずる。

5 アンテナと給電線のインピーダンスが整合していないと、反射損が生ずる。

解答 1

給電線とアンテナ

給電線とアンテナ
給電線のインピーダンスと違うアンテナを接続すると、送信電力の一部がアンテナから放射されず、反射されて戻っていきます。図のようにアンテナを接続する場合、給電線側のインピーダンス$Z_0$とアンテナのインピーダンス$Z_L$が等しくない場合、反射波と入射波が干渉を起こして定在波が発生します。そのため、インピーダンス$Z_0$と$Z_L$を等しくする必要があります。これを整合をとるといいます。

送信機からアンテナに向かう電圧を$V_f$、アンテナから反射される電圧を$V_r$、給電線側のインピーダンスを$Z_0$、アンテナのインピーダンスを$Z_L$とすると、電圧反射係数$Gamma$と電圧定在波比$VSWR$は、以下のようになります。

電圧反射係数
$Gamma = frac{V_r}{V_f} = frac{Z_L - Z_0}{Z_L + Z_0}$

電圧定在波比
$VSWR = frac{V_{max}}{V_{min}} = frac{1 + Gamma}{1 - Gamma}$

整合が取れている場合は、反射波はないので電圧反射係数は0になります。よって、電圧定在波比は1になり、定在波は存在しません。

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