問題
次の記述は、アンテナと給電線との接続について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
1 アンテナと給電線のインピーダンスが整合しているときの電圧定在波比(VSWR)の値は3である。
2 アンテナと給電線のインピーダンスの整合をとるには、整合回路などによりアンテナの給電点インピーダンスと給電線の特性インピーダンスを合わせる。
3 アンテナと給電線のインピーダンスが整合していないと、伝送効率が悪くなる。
4 アンテナと給電線のインピーダンスが整合していないと、給電線に定在波が生ずる。
5 アンテナと給電線のインピーダンスが整合していないと、反射損が生ずる。
解答 1
給電線とアンテナ
給電線のインピーダンスと違うアンテナを接続すると、送信電力の一部がアンテナから放射されず、反射されて戻っていきます。図のようにアンテナを接続する場合、給電線側のインピーダンス$Z_0$とアンテナのインピーダンス$Z_L$が等しくない場合、反射波と入射波が干渉を起こして定在波が発生します。そのため、インピーダンス$Z_0$と$Z_L$を等しくする必要があります。これを整合をとるといいます。
送信機からアンテナに向かう電圧を$V_f$、アンテナから反射される電圧を$V_r$、給電線側のインピーダンスを$Z_0$、アンテナのインピーダンスを$Z_L$とすると、電圧反射係数$Gamma$と電圧定在波比$VSWR$は、以下のようになります。
電圧反射係数
$Gamma = frac{V_r}{V_f} = frac{Z_L - Z_0}{Z_L + Z_0}$
電圧定在波比
$VSWR = frac{V_{max}}{V_{min}} = frac{1 + Gamma}{1 - Gamma}$
整合が取れている場合は、反射波はないので電圧反射係数は0になります。よって、電圧定在波比は1になり、定在波は存在しません。